自転車と自動車による交通事故の実況見分体験談

日々ニュースを見ていると、危険な交通事故の様子が報じられています。

煽り運転や意図的な暴走といった悪質なものから、路面の状況など外的要因によるものや高齢者の判断ミスまで多岐にわたります。

我々はそれを見て他人事に思いがちですが、自動車だけではなく自転車やバイクといった「車両」は街中に溢れており、いつ自分が被害者になってもおかしくありません。

私もそう思っており、実際に事故に出くわすと考えてもいませんでした。

・事故の具合

当時私は高校一年生で、部活動の帰りでした。

その日は長引いてしまい、校則では21時には帰宅しなければならないにも関わらず、22時を過ぎた夜道でした。

帰宅するにも運行しているバスは無く、仕方なく自転車で帰ることにしました。

私の通っていた学校は自転車のルールに非常に厳格で、鍵やライトが取り付けられているか、反射板は付いているか細かく検査されます。検査に通った自転車のみ通学に使用できるため、事故に遭った当時乗っていた自転車は当然のように基準を満たすものでした。

遅い時間になったからといって特にルートを変えることなく、いつも通りに大通りに沿って明るく、見通しの良い道を選んで帰宅していましたが、この日ばかりはその選択が裏目に出ます。

中央分離帯のある大通りの交差点で信号待ちをしていました。

私は地方に住んでいるため、夜になると未だに暴走を繰り返す輩や、明らかに不正改造をしている車が我が物顔で公道を走ります。

なので、信号が変わってしばらく待ってから横断歩道を渡るようにしていて、この時もいつものように安全を確認してから渡りました。

しかし、私は事故に遭ってしまいました。

右折してきた車が私に気が付いていなかったのか、それなりのスピードで横断歩道に侵入してきて、私を自転車ごと跳ね飛ばしたようです。

事故に遭う瞬間は頭が真っ白になり、全てが止まっているように見え、聴覚も遮断され、ほとんど記憶がありません。

右折してきた車に跳ねられ、どれくらい吹き飛ばされたのかは、後に私の世話をしてくださった警察官の方に教わりました。

前述の通り、私の自転車はライトや反射板といった夜間の装備が施されており、部活帰りで白のウインドブレーカーを羽織っていたため、認識しにくかったわけではないと思われます。さらに事故現場となった交差点は大通りなので街灯も多く、近隣に店も多く立ち並んでいたので、視界が悪かったとは思えません。

原因として考えられるのは中央分離帯に植えられていた木が視界を遮ったか、車を運転していた方の不注意だと聞かされています。

幸運なことに接触したのは私の自転車の後輪部分だったので、重症を負うことはありませんでした。吹き飛ばされた際にアスファルトに強く身体を打ち付けたため全身打撲と、右親指の骨折で済み、ちょうどその交差点で検問を行っていたため、すぐに警察官の方に救助してもらったため、二次被害を受けることもありませんでした。

・実況見分について

前述の通り近くで検問が行われていたため、私や車の運転手が警察を呼ぶ必要もなく、すぐに見分が始まりました。

事故のショックで気が動転してしまい、パニック状態だったので、私の口からは「すみません」という言葉しか出てきませんでした。

少しでも私を落ち着かせてくれようと、女性の警官が丁寧で柔らかい口調で対応してくれたことははっきりと覚えています。

一旦家に連絡し、両親に来てもらいなんとか冷静になったところで見分を始めました。

事故にあった直後でアドレナリンが過剰に分泌していたせいか、翌日には全身の痛みで起き上がることも苦労した私が、自分の足で立って、横断歩道まで行き、覚えている限りで事故の様子を説明しました。

まずは事故当時の状況です。

歩行者側の信号は青だったのか、車両の進入は確認したのか、自転車から降りて渡ったのか、信号は点滅していなかったかというような、交通ルールの基礎的なことを確認されました。

当然青信号で、車には注意をして渡っていたので、自信を持って答えることができましたが、自転車からは降りていなかったので、それに関しては正直に答えると、その点に関して指導を受けました。

次に、横断歩道のどの辺りで跳ねられたかということを聞かれました。

前項の記述通り、事故の本当の直前は頭が真っ白になり、記憶がありません。

そもそも気が付いた時には道路に横たわった私を、警察の方が救助してくれていたので、どこで跳ねられたかは分からず、正直に覚えていないと答えました。

そこで、タイヤ痕の位置を示され、相手の方がこの辺りだと証言していると言われたので、私もそれに同意しました。

本当にそこなのかは本当に分かりません。自転車も私の持ち物も遠方に吹き飛んでおり、正確な場所が分からず、もしかすると違うかもしれないので、本当に記憶が無くて分からないという旨を念を押して伝えておきました。

その後は、私が示した一応の事故現場や、ぐしゃぐしゃのなった自転車の写真を撮り、警察車両の中で書類にサインしたことを覚えています。

時間が経つにつれて心労が溜まり、本当に詳細な部分ははっきりと覚えていませんが、家に帰ったのは0時近かったので、1時間以上見聞が行われていたことになります。

翌日、病院に行って診断書を貰ってきて、それを持って警察署へと出向き、調書の確認をしました。

その場で過失の割合が示され、私の場合は8:2だと言われました。

どうやら私の知らぬところで話が進んでおり、本件は示談となったため、もう来なくてもよいということになりました。

当時私は高校生だったため、その後の話には参加させてもらっていません。

どうやら相手の方はまだ若く、事故を起こしてしまったことにショックを受けており、年下の私に直接謝罪をすることを拒否していると、両親から聞かされました。

交通事故は私のように跳ねられたから被害者、相手のように跳ねたから加害者というような区別をしないと聞きました。過失の割合が大きい方を加害者、少ない方を被害者と呼ぶそうですが、本音を言うと納得できませんでした。

それから一度も当事者同士が顔を合わせたこともありませんし、相手から菓子折りや文面での謝罪も届いていません。私の両親も騒ぎにしたくないため、相手の心情も思いやって示談金として自転車の弁償代だけ受け取って、本件は解決となりました。

余談を挟んでしまいましたが、実況見分はとても緊張します。

事故を起こした・遭った直後に冷静でいられる人間など殆どいないと思うので、自分でも正確な証言をしているのか不安になります。

ですが、作成される調書は操作に於ける重要な証拠となり、裁判に発展した際も重要な証拠になります。

動揺して曖昧な受け答えをしたり、その場から離脱したいために適当なことを言ってしまったりすると、後に辻褄が合わなくなり、証言者の信憑性も著しく損なわれることでしょう。

出来上がった調書にサインをしてしまった段階で成立してしまうので、曖昧な点や疑問に感じる点があれば、サインをする前に確認をする、警察の方に正直に話すといったことで、正確な情報を正直に提供することが大切です。